ちょっと知りたい住まいのアイデア

助け合えて安心、二世帯住宅のメリットとポイント

共働きの子育て世帯が再注目。親と同居するライフスタイル

年末年始の長期休暇、離れたご実家に帰省する方もいらっしゃることでしょう。交流をする良い機会ですが、現状や将来の心配もふまえて「一緒に暮らす」ことを相談してみるのはいかがでしょうか。実はいま、大家族や3世代同居、核家族化で失われた生活スタイルの良さが見直され、二世帯住宅に親・子・孫が暮らす多世代居住が静かなトレンドになっています。考えるきっかけに、そのメリットからお話ししていきます。


経験者へのアンケート結果から見える、二世帯住宅のメリット

■子育て・家事などの協力、助け合い
「女性活躍」の時代、共働き夫婦が増える一方、育児環境の整備がまだまだ追い付いていません。加えて高齢化社会、親世代にも「人生第2の活躍」が求めらる昨今。これらの背景から、親世代が子世代の育児や家事を助けらえる二世帯住宅へのニーズが高まっています。日中、働く子世代に実務的にも大きなメリットがあり、親世代も支える家族があって生活に張り合いが生まれるでしょう。急病や天災などもしもの時にも、信頼できる人がそばにいることは心強いとの声も。

■親の老後の心配解消
今は元気でも、親が高齢になってくると何かと心配があるものです。近くにいて頻繁に顔を合わせていれば変化にも気づきやすく安心。介護が必要になってからも、お互いをよく知っている同居家族の方が対応しやすいため、一緒に暮らすなら早いほど良いと言われています。

■経済的
建築費や生活費を分担できるといった生活上・資金上の利点も再評価されています。土地と建物に分担して支払ったり、親がまだ現役ならいわゆる「親子リレーローン」を使って両世帯で借り入れるなど、選択肢が増えることで資金繰りもしやすくなるでしょう。また、家の条件次第で二世帯とも「住宅ローン控除」を受けられるなどのメリットも考えられます。


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仲良く暮らせるコツは、距離の確保

二世帯住宅に大切なのは、初期段階から全員で綿密に家族会議を行うこと。現在は二世帯住宅も設計・性能レベルが上がっており、親世帯と子世帯間で当然違う生活習慣や価値観、空間の使い方など様々なニーズに対応できるようになっています。何を別々にしたいか、何を共有できるかによって以下のタイプから選択し、家の形も根本的に変えた方が良いでしょう。

■完全同居タイプ
お互いの個室以外はほぼ共有されている二世帯住宅。建築費は抑えられますが、世帯間の距離が極めて近いため、ミニキッチンを設けたり、リビングのようにくつろげる広めの寝室にするなど、世帯ごとのプライベートの確保に工夫が必要かもしれません。

■部分共有タイプ
二世帯の希望や生活リズムに合わせて柔軟に共有スペースを決めて作られる二世帯住宅。玄関以外は全て分離するものや、一緒に料理や食事をするものなど家庭により様々です。互いの滞在時間が少ない空間を共有スペースにするのがよいとされており、玄関→浴室→キッチンの順で共有スペースを決めるのが一般的です。

■完全分離タイプ
1、2階上下を分離して外階段で2階玄関に行けるようにした「外階段タイプ」と、家を左右に分離した「連棟タイプ」があります。建築費が多少かかりますが、寝室近くに水廻りや子供部屋を配置しないようにするなど音対策を施したプランにすれば高いプライベート性が確保可能です。また、2戸の住宅と認められれば、不動産取得税の軽減や建物の固定資産税の軽減もそれぞれに適用されますし、将来一方を賃貸住宅に転用するなど資産運用も可能となります。

また、二世帯同居がどうしても無理という場合、近所に住む「近居」という手もあります。情報を多く集めている住宅・不動産会社など専門家に相談してみるといいでしょう。


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