ちょっと知りたい住まいのアイデア

住まいを含め、様々な場面で役立つ色のアイデア

色のことを知って、住まいのカラーコーディネートを楽しみましょう

住まいづくりは、建物の設計や建築はもちろん、インテリアの「色選び」にも醍醐味があります。家族が集まるLDKは温もりのある色にしようか、和室は落ち着いた渋い感じ、寝室、水回り、廊下・階段……住まいを構成するそれぞれの空間をカラーコーディネートして、家を自分たちらしい色に染めていきます。これは家具だけのことではありません。床・壁・天井・ドアなど、新築だから選べるあれこれを考え、完成形に思いを馳せる過程には、自然と高揚感も高まることでしょう。ただこれらは、クッション1つのような小物の色選びとは違い、面積が広く、部屋の印象を大きく左右してしまう部分。「思っていたイメージと違う…」という失敗を避けるために、やはり色に関する知識を持っておくことは大切です。色はセンスだけで選ぶものではなく、調和する法則があり、知っておけば出来上がりもより理想に近づけられるはずです。とはいえ、色彩学は奥深いもの。今回は家の色選びに役立つコツの一部をご紹介します。


“反対色”でキリッと刺激、“類似色”でバランスよく調和

右図は色を環状に配置した色相環というものです。基本の色に対して向かい合う色が反対色(補色)、反対色の隣の数色ほどを反対色相と言い、組み合わせると強く引き立て合って適度な緊張感が出ます。部屋の壁や床に使うには少し刺激が強く、配色の難易度も高いため、家具小物に反対色同士を少量散りばめるのがコツです。気を引き締めたい書斎や勉強部屋などにいかがでしょうか。
基本の色に対して隣にある数色が類似色相。馴染みやすく失敗が少ない配色です。少し単調に感じる場合は、布や木目など素材を変えてみたり、ダークブラウンとライトブラウンなどのように明るさに差をつけるとバランスを保ちながらメリハリも出せます。


元気がもらえる“暖色系”、クールで広く感じる“寒色系”

赤から黄色までが暖色。落ち着いた赤茶色やポップなオレンジなども暖色です。これらは温もり・暖かさや、エネルギッシュ感、明るさなどを感じさせます。多用すると圧迫感が出るので、淡い類似色や白で緩和しましょう。 青緑から青紫までは寒色です。涼しく静かで落ち着いたイメージを与えてくれます。また、これらは後退色とも呼ばれ、遠ざかって見えるので壁やカーテンなどに使うと部屋を広く感じる効果があります。
残りの緑や紫周辺の色相は、暖色・寒色いずれにも属さない中性色です。暖色、寒色、中性色、体感温度が変わる等の効果もありますが、どの色が快適かは人によって違ってきます。自分の部屋にはシンプルに「好きな色」を選ぶのが良いでしょう。


“重厚感”は黒に近い色、“軽快感”は白に近い色

黒や明度の低い深くて濃い色を使うと、重みがあって大人っぽい部屋になります。ヴィンテージ感を演出し、我が家で“特別な時間”を過ごしたい空間におすすめ。天井や壁に使うとシアターのような落ち着いた雰囲気になります。あまり狭い部屋に使用すると狭さが際立ってしまうので要注意です。白や明度の高い淡い色は軽やかでさわやかな部屋を作ります。真っ白な部屋は平凡と思われるかもしれませんが、黄色を組み合わせるとより明るく、水色を組み合わせるとよりさわやか、淡いピンクや紫はお姫様の部屋…など、添える色味によって作れる雰囲気を多様に表現できるのが利点です。
床や壁、建具とも豊富な材質、カラーも様々なバリエーションの商品が増えています。選ぶのが大変そうに思えるかもしれませんが、このように色の特性を踏まえれば、過ごしたい部屋の雰囲気に合わせておのずと部屋の色も決めやすくなります。配色の勉強が難しければ、様々なインテリア事例を見て、自分好みの部屋の写真を集めておくだけでも、家作りの打ち合わせなどに役立ちますよ。そして、できればモデルハウスやショールームなどで、写真越しではない実際の色、実際の色面積、その居心地などを実物の部屋で確認しながら選んでいくのがお勧めです。

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