家を作る時から始まるおもてなし
親や気が置けない親戚、親しい友人にご近所さん方、ときにはご主人が会社の同僚を連れてきたり……我が家にやって来るお客さまはその時間帯も含めてさまざまです。「突然の来訪にもきちんと対応したい」「“気軽にいつでも来てね”と言える我が家でありたい」それは玄関まわりの作り方や、動線を考えた間取り配置など、家にひと工夫することで叶えやすくなるかもしれません。
お客さまをまずお出迎えするのが玄関まわり。おでかけや帰宅など、家族でも毎日使う空間なので心地よくしたいところ。玄関には何が必要か…ポイントは明るさ・広さ・見栄えです。
●窓と照明
明るい屋外から家へ入るとき、外と中の境界である玄関はより暗いと感じやすい場所です。 光を通す窓つき玄関扉、玄関ホールに採光窓や照明などを採用して明るさを確保しましょう。
●収納
靴や雨具、ベビーカーなどの片付ける物が多いだけでなく、コートを脱いだり、荷物を持ち込んだりと、玄関では意外と大きな動作を必要とします。収納を設けて動線を良くしましょう。日頃からすっきりと片付けやすい据え付け型収納や土間収納などがおすすめです。
●インテリア
収納などの機能性を重視するとあまり装飾できないように思えるかもしれませんが、ささやかな飾り棚を設ける、間接照明で雰囲気を作る、ドアや壁などの素材に少しこだわってみるなど、細やかなひと工夫で十分に華やかな玄関が作れますよ。
●エクステリア
アプローチや正面の庭づくりなどは戸建てならではの楽しみです。
門柱や郵便受け、照明、シンボルツリーや季節の草花の植栽で飾りましょう。
また、門扉はセキュリティの面だけではなく見た目の演出力も高いエクステリアです。オープン外構にあえて設けてみるのも良いかも知れません。
こうして配慮をほどこしていくほど、玄関まわりは来訪者や家族に優しい気分をもたらす空間になると同時に、日頃から使いやすく、その家の個性がにじみ出る空間になっていきます。 気分よくお客さまを迎え入れたら、次は室内への案内です。
●客間へ通す
和室はひと昔前に比べて減りましたが、「できれば客間も欲しい」とお考えの方も少なくありません。でも実生活で客間が客間としての機能を求められる機会は少なく、そのために1室まるまる未使用状態にしてしまうのは勿体ない話です。ここでは、襖の開け閉めだけで客間にも、リビングとの一体型スペースにもなる和空間をご提案。くつろぐ、幼い子どもと遊ぶ、家事に使うなど、客間として以外にも融通が利きます。
●リビングへ通す
家族みんなが大好きなおじいちゃん・おばあちゃん、家族共通のお友達の来訪が多いなら、客間を設けずリビングでくつろいでもらうことが多いでしょう。LDKの空間に来客を通す場合、気になるのはキッチンの生活感です。どんな方がよく来訪しそうか予想して、「一緒にお料理を」という間柄ならオープンなキッチンでともに調理に立ってもいいし、そうでないなら目隠しカウンターなどクローズドキッチンも候補に入れておきましょう。